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きものの雑学

襟付きが厚い

襟付きが厚い

「襟付きが厚い」は、重ね着ができるくらいに裕福の発想から、お金持ち・裕福という意味で用いられます。その逆の意味でみすぼらしい、貧乏であることを「襟付きが薄い」といいます。
このことわざの背景は、貴族の正装や裕福な家は重ね着や襟など、布を多く使用する文化があったことにあります。例えば、平安時代の女性貴族の正装は幾重にも重ねた十二単であったり、近世の裕福な女性は小袖三枚襲(かさね)を定番としていたりしました。襟が厚く見えたことから、「襟付きが厚い」とはお金持ちであること意味するようになりました。
「襟付きが厚い」の概念は、日本だけではなく外国でも同じです。ひらひらレースのエリザベスカラーなど、お金持ちの人々は布を贅沢に使うことを好んでいました。